ラストボーイ
「愁ちゃん?大丈夫だから降ろして‥‥?」
「やだ。」
やだって‥‥俺は子供か。
とりあえず芽生を休ませるのが先だ。
俺は芽生を抱えて二階にある、
芽生の部屋に行きベッドに寝かせようとした。
「‥‥芽生?」
ベッドに降ろそうとしたけど、
俺を掴む芽生の手が離れない。
「‥‥あたしっどんどん嫌な女の子になってくっ‥‥。」
俺の胸に顔を埋めて、
服を掴む手に力が入った芽生がか細い声でそう言った。
「愁ちゃんにも心配かけて、愁ちゃんが辛そうなのはあたしのせいっ‥‥。あたしは自分の事ばっかりで無神経でっ‥‥心配してくれてるのに‥‥ママも拒絶してっ‥‥どんどん自分がっ‥‥嫌な女になってく‥‥っ。」
泣きながら俺にしがみつく芽生を、
そのままベッドの上に降ろした。
「芽生」
俺の声に返事するかの様に、
芽生が顔を少し上げた。