ラストボーイ
「おばさん、戸締まりだけは頼みますよ。」
夕方、おばさんが帰ってきた。
俺がいる事に驚きもしなかったけど。
「ごめんなさい。朝慌てて出たものだから‥‥。それより芽生は?一体何があったの?あの子教えてくれないから。」
「もう大丈夫。おばさんは気にしないで。いつも通りのまま芽生の事お願いします。」
俺はおばさんに軽く頭を下げた。
「愁ちゃん本当にごめんなさいね。いつもあの子の事任せっきりで。あなたも疲れるでしょう?」
「俺は全然。俺がしたいだけだから。それじゃあまた。」
おばさんは申し訳なさそうに、
俺に深々頭を下げてた。
いつもあんな感じじゃないのに。
おばさんも芽生の事心配で仕方ないんだな。
明かりの点いていない芽生の部屋を見上げた。
"愁ちゃんまた明日っ!"
「って寝てるか」
窓から笑顔で手を振る芽生が思い浮かんだ。