ラストボーイ
「ん~っ」
あたし寝ちゃったんだ。
ってまだ夕方かぁ‥‥どれくらい寝たんだろう。
体の怠さがまだ抜けない。
ちゃんと食べなきゃ‥‥愁ちゃんに怒られそうだし。
「電気ついてる。ママ帰ってきたんだ。」
あたしは鉛の様に重い身体を起こし、
手すりに捕まりながら階段を下りてリビングに行った。
「おかえり。」
ママは驚いた顔をした。
そういえば、ママともまともに話してないし、
部屋に篭ってたから久しぶりに顔を合わせたんだった。
「芽生‥‥心配したんだから。」
はぁっとため息をついたママは、
キッチンに入り夕飯の支度でもするのかエプロンをした。
「ごめんね。けどもう大丈夫だから。」
あたしがそう言うと、
ママから返ってきた言葉は意外だった。
「あなたが大丈夫でも、心配した人の気持ち考えて言いなさい‥‥!愁ちゃんだって、あたしだって心配してたのよ?それをもう大丈夫って何が大丈夫なのよ‥‥っ!」