ラストボーイ
「ごめんなさい。けどっ‥‥あたしはっ」
「いつまで愁ちゃんに頼るの‥‥っ!愁ちゃんに頼りっぱなしであの子も大変でしょうっ?!いい加減大人になりなさい‥‥っ!」
怒ったママは久しぶりに見た。
けどあたしだって心配かけたくてかけてる訳じゃない。
頼りっぱなしなんて‥‥‥‥
そんなのあたしが1番分かってる。
ママは何も知らないから、
そんな事あたしに言うんだよ。
「何も知らないくせに。」
心の中で思った事が、
気が付いたら言葉を発していた。
言い終わった次の瞬間、
あたしの頬に鈍い痛みが走った。
目の前に手を振りかざしたママ。
あたしママに叩かれたんだ。
だからこんなに右頬がジンジンするんだ。
何もかも上手くいかない。
こんな事望んでないのに。
あたしがいるから、
みんなあたしのせいでおかしくなる。
あたしは勢いよく家を出た。
体がだるい、重たい、寒い、足が痛い。
「涙も出ないやっ。」
靴も履かず走ったせいか、
あたしの足は傷だらけで血が出ていた。
「苦しいよっ」