ラストボーイ












「‥‥愁ちゃ‥‥ん?」







「何があってもどんな事があっても、俺は絶対芽生を1人になんかしない。おばさんや親父さんが出来なかった事を俺が芽生にしてやりたい。だから芽生を俺にください。今はまだ子供だけど、俺が絶対こいつを幸せにします。俺が芽生を死ぬまで守ります。」











「‥‥えぇ。愁ちゃんにお願いするわ。」









ママは笑顔で、
けどその目からは一粒‥‥頬に涙が伝って、
あたしを握る手も、もはやあたしが握っているだけ。









「‥‥死に際に娘を嫁に出すなんてね‥‥。幸せよ芽生。残念なのはあなたの花嫁姿が見れない事ね‥‥。きっと‥‥きっと綺麗よ‥‥芽生。だってあたしの娘ですもの‥‥‥‥芽生‥‥?幸せになるのよ?ママとパパは‥‥いつだって芽生の事見て‥‥るんだから‥‥。」









薄れてく意識の中、



ママは最後にこう言った。







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