ラストボーイ






「ごめっ・・・もう大丈夫っ」






どれ位、そうしていたんだろう。




愁ちゃん以外の人にあんな風にされるのは初めてだから今になって恥ずかしくて緊張する。






「俺は全然いいから。」





優しく笑った勇志くんの笑顔に変に胸が高鳴る。



男の人を意識するってこうゆう事なのかな。






その後はほとんど勇志くんの顔を見て話せなかった。




愁ちゃん以外に弱いとこを見せたのは初めてで、
あんな勇志くんも初めてだったから。






「じゃあ俺はここで。愁きてるよ?」






あっ・・・、愁ちゃん待ってたんだ。






あたしの家の前には、
塀に背中を付けてあたしを待ってる愁ちゃんがいた。







「勇志くん今日はありがとっ!あとっさっきはごめんねっ!忘れて!」






「うん全然。むしろいつでも」









「芽生」







あたしを呼ぶ愁ちゃんの声。



勇志くんは愁ちゃんと少し話して来た道を戻って行った。







「芽生?」






「っへ?!」






「どした?」





「んーんっ!ほら、ママも会いたいだろうし入って入って!」






玄関を開けたら、
愁ちゃんを迎え入れるママ。





愁ちゃんとママはしばらく昔話をして、
あたしが愁ちゃんを自分の部屋に招いたのは何年振りだろう。







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