ラストボーイ
始まりの鐘が鳴る
ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。
「‥‥うるさいなぁ~。‥‥って今何時?!」
飛び起きたあたしは時計を見る。
ち、遅刻する~っ!
そうだっ、って事は‥‥。
二階の窓から下を覗くと、
案の定愁ちゃんが不機嫌そうにして待っていた。
起こしてくれる人がいたあたしは、
甘えすぎてたんだなってこんな時に反省する。
適当に身支度を済ませて、
「行ってきまーす!」返事はないけど、
あたしの今日はこれから始まる。
げっ‥‥!す、すごい怖いんですが‥‥。
せっかくのイケメンが台無し‥‥だよ?
「遅い」
「ご、ごめんね!寝坊‥‥しちゃって‥‥へへへ。」
痛っ~!デコピンする事ないじゃん‥‥っ!
「はい止まって」
そう言ってあたしのネクタイを結ぶ。
未だもって自分でネクタイを結べないあたしは、
毎朝愁ちゃんにやってもらってる。