ラストボーイ
始まりの鐘が鳴る












ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。







「‥‥うるさいなぁ~。‥‥って今何時?!」






飛び起きたあたしは時計を見る。



ち、遅刻する~っ!

そうだっ、って事は‥‥。






二階の窓から下を覗くと、
案の定愁ちゃんが不機嫌そうにして待っていた。







起こしてくれる人がいたあたしは、

甘えすぎてたんだなってこんな時に反省する。






適当に身支度を済ませて、
「行ってきまーす!」返事はないけど、
あたしの今日はこれから始まる。






げっ‥‥!す、すごい怖いんですが‥‥。


せっかくのイケメンが台無し‥‥だよ?







「遅い」





「ご、ごめんね!寝坊‥‥しちゃって‥‥へへへ。」







痛っ~!デコピンする事ないじゃん‥‥っ!






「はい止まって」






そう言ってあたしのネクタイを結ぶ。

未だもって自分でネクタイを結べないあたしは、

毎朝愁ちゃんにやってもらってる。






< 303 / 316 >

この作品をシェア

pagetop