ラストボーイ
「愁ちゃん、首元のそれ何?」
「あぁ、ネックウォーマー。寒いし」
そう、もう真冬。
そして明日は待ちに待ったクリスマス!
「愁ちゃん!明日の約束覚えてる?」
あたしが愁ちゃんの前に立ちはだかると、
「覚えてるっつーの!あれだろ駅前の巨大ツリー。」
「うんっ!!」
クリスマスになると駅前には、
巨大なツリーとイルミネーションで冬の街に変貌する。
あたしはどうしても愁ちゃんと見たくて、
家でまったり過ごしたいって言う愁ちゃんを無理矢理説得した。
「あんまはしゃぐなよ転ぶぞ」
へ‥‥っ?!うぎゃー!!!
「‥‥ほら言わんこっちゃない」
転びそうになったあたしを、
愁ちゃんに支えられて何とか助かった。
「‥‥へへ。ありがと‥‥っ」