ラストボーイ







「芽生お弁当作ってきたの?!」


勇志くんも礼ちゃんも来たし・・・
今ここで開けられたらすごい恥さらしなんだけど(;▽;)




「愁~っ!試合お疲れ様っ♪これ食べて!お弁当作ってきたのっ!」



黄瀬さんも作ってきたんだ・・・。



「あー、でも俺弁当あるんだよね」



「えぇ~っ。食べてよぉ。」



あたしの顔をチラっと見る黄瀬さん。
協力って今この瞬間かな・・・・・っ?!




「愁ちゃん、あたしのはいいから黄瀬さんの食べてあげて?」




これで協力出来てる・・・のかな?
せっかく頑張って作ったけど、愁ちゃんにはいつでもあげられるし、
なにしろ黄瀬さんに協力しなきゃ。




「じゃあどっちも食うわ!」



「「えっ?!」」



黄瀬さんとハモった。

ふ、2つ食べるの・・・?
でも結構量あるし・・・無理しすぎじゃないかな・・・



それにあたしのはお弁当っていうか、
ただの詰め物って感じで味も自信ないし。



「んじゃまずこっちー」




そう言って愁ちゃんは、
黄瀬さんが作ったお弁当を開け始めた。


可愛らしいハート柄のお弁当に、
小さな紙に「お疲れ様♡」と書いて入れてあった。



女子力高いなぁ。
あたしもなにか入れたら良かったかな?



蓋を開けると色鮮やかで、
見るからに美味しそうなお弁当だった。
ひとつひとつ可愛くアレンジしてあって、
女の子らしいお弁当だった。



「美味しそうだね」


黙って見ていた勇志くんも本音がポロリ。
この後にあたしの詰め物を見るんだから、最悪だ。。。
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