ラストボーイ






「・・・生!芽生っ!」




ママの声・・・?

あたしってばいつの間に寝てたんだろ。
てか今何時なんだろ。



「う~んっ・・・」



「いつまで寝てるの!愁ちゃん来てるわよ」




分かってるってばぁ。
もうちょっと寝かして・・・って愁ちゃん??



部屋のカーテンを開けて下を見たら、
門の前に愁ちゃんが立っていた。



「愁ちゃんどうしたの?」



「降りてきて」




どうしたんだろ?
てかもう夜なんだけど・・・。


あたしは寝起きで乱れた髪を直して外に出た。




「どうしたの?」



「こーれ!」



そう言って愁ちゃんは、
持っていた袋から花火を出した。



「花火?!やるのっ?!」



「たまたま家にあったから、母さんから奪ってきたんだけど、やる?」




「やるっ♪!!!」




打ち上げ花火は見たけど、
手持ち花火をやるのは何年振りだろ!!



あたし線香花火が一番好きっ♪

すぐ消えちゃうけど、
なんかすごい神秘的っていうか・・・とにかく好きっ。




「そんな嬉しい?」



「うんっ!すごい久しぶりだからっ!」



「だからってそんなニヤニヤしてたら、明らか変人だぞ?」




「いーいーのっ!」




愁ちゃんの家の近くの公園で花火をやる事にした。
最近草刈をしたのか公園の隅には、
刈った草がところどころに山積みにされてて、
綺麗になっていた。





「芽生どれからやりたい?」



愁ちゃんがろうそくに火を付けてくれた。



< 43 / 316 >

この作品をシェア

pagetop