ラストボーイ
「・・・生!芽生っ!」
ママの声・・・?
あたしってばいつの間に寝てたんだろ。
てか今何時なんだろ。
「う~んっ・・・」
「いつまで寝てるの!愁ちゃん来てるわよ」
分かってるってばぁ。
もうちょっと寝かして・・・って愁ちゃん??
部屋のカーテンを開けて下を見たら、
門の前に愁ちゃんが立っていた。
「愁ちゃんどうしたの?」
「降りてきて」
どうしたんだろ?
てかもう夜なんだけど・・・。
あたしは寝起きで乱れた髪を直して外に出た。
「どうしたの?」
「こーれ!」
そう言って愁ちゃんは、
持っていた袋から花火を出した。
「花火?!やるのっ?!」
「たまたま家にあったから、母さんから奪ってきたんだけど、やる?」
「やるっ♪!!!」
打ち上げ花火は見たけど、
手持ち花火をやるのは何年振りだろ!!
あたし線香花火が一番好きっ♪
すぐ消えちゃうけど、
なんかすごい神秘的っていうか・・・とにかく好きっ。
「そんな嬉しい?」
「うんっ!すごい久しぶりだからっ!」
「だからってそんなニヤニヤしてたら、明らか変人だぞ?」
「いーいーのっ!」
愁ちゃんの家の近くの公園で花火をやる事にした。
最近草刈をしたのか公園の隅には、
刈った草がところどころに山積みにされてて、
綺麗になっていた。
「芽生どれからやりたい?」
愁ちゃんがろうそくに火を付けてくれた。