ラストボーイ






「会えて嬉しいわっ。体は大丈夫?」



体が弱いあたしを、
愁ちゃんママは会うたび必ず気にしてくれる。



「最近は全然っ!!」



「なら良かったっ。パパもいたら良かったんだけど、まだ仕事から帰ってきてないのよ。」



愁ちゃんパパにも会いたかったな。




「愁っ!あんたちゃんと芽生ちゃんの面倒見てあげてるの?ずっと待っててくれたんだからっ!」




「はいっ。もうお世話なりっぱなしで。愁ちゃんには本当感謝してますっ!あと愁ちゃんママにもっ!」




「な~に照れてんのよ愁」




「照れてないから」




でも愁ちゃん耳赤いよ?
ふふっ♪たまーに可愛いんだよね愁ちゃん。




「芽生ちゃんお母さんとはどう?ちゃんと仲良くしてる?」




「はいっ。一時期は愁ちゃんにも愁ちゃんママにも迷惑かけちゃってごめんなさいっ。」





パパが死んだ後、
あたしとママは折り合いが悪かった。



ママを嫌いになった訳じゃない。


むしろ感謝もしてるし大好きだった。
それは今でも変わらない。



ママはあたしの見えないところで泣いてた。


でも朝になればあたしに、
「芽生のせいじゃないから」そう言ったママにあたしは、
ひどいことを言ってしまった。



それからしばらくママとは口を聞かなかった。
あたしも素直じゃなかったから。



その時も愁ちゃんが助けてくれた。



「なら良かった。迷惑なんかじゃないのよ?ここを第二の家だと思ってくれていいのよ。ね?愁」





「あぁ。」



笑った顔は愁ちゃんも愁ちゃんママもそっくり。
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