ラストボーイ
その後3人で思い出話をした。
それはすごく懐かしくてあったかくて、
でもどこか胸が痛む話だった。
パパが生きてた頃を思い出した。
やっぱりあたしはまだ弱い。
「芽生ちゃんまたきてね。会えて良かったわ。」
「はいっ!お邪魔しました。」
久しぶりに会ったけど、
愁ちゃんママ何も変わってなかったなぁ。
相変わらず綺麗だし優しかったなぁ。
第二の家かぁ・・・。
そう言ってもらえるだけで十分。
だからあたしも強くならなくちゃいけない。
いつまでも愁ちゃんや、
愁ちゃんママ、それに礼ちゃんや勇志くん。
みんなに甘えてばかりじゃいられない。
「芽生、何かごめんな。母さん余計な話までしてさ。」
「全然っ♪嬉しかったぁ。第二の家だって♪毎日お邪魔しちゃうよっ!?」
「いいよいつでも。ちゃんと寝てる?」
「爆睡だよっ!愁ちゃんも愁ちゃんママも心配しすぎだよ~っ。あたしはもうだいじょーぶ。」
「ならいいけど何かあったら言えよ?」
大丈夫って思った。
頑張らなきゃって。
過去に負けてちゃいけない。
あたしが前に進まなきゃ。
でもこれから起きる悪夢を、
その時はまだ気付かなかった。
前に進めば引き戻される。
そんな毎日が待っていたなんて。