ラストボーイ
本当はもっと欲深く願えば良かったかもしれない。
こいつが俺を好きになりますようにとか、
俺の彼女になりますようにとか、
でも、どんな形であれ、俺は芽生といたい。
それが一番だった。
俺がこいつを好きでいても、
こいつが俺を幼なじみとしか見てなくても、
俺は芽生と一緒にいれたらいい。
この先こいつに好きな奴が出来ても、
俺は芽生を嫌いになれないし、
幼なじみっていう関係も無くならない。
こいつの隣にほかの奴がいても、
俺は芽生が笑ってるならそれでいいんだ。
「愁ちゃん何をお願いしたの?」
言えねーよばーか。
本当は言いたいのに。
あの頃からずっと好きだって言えたら楽なのに、
それを言ったら芽生はきっと混乱するし、
多分今日までの関係もなくなる。
幼なじみ。
越えたくても超えられない壁。
壊したくても壊せない壁。
俺と芽生の今までがそこにはあったから。