ラストボーイ
下に降りるといい匂いがした。
「あらっ、芽生ちゃん起きたのね!具合はどう?お腹空いたでしょう?今お粥作ってるから座って。」
「ありがとう愁ちゃんママ。心配かけてごめんなさい。」
「いいのよ全然、大した事なくて良かった。」
やっぱり愁ちゃんの家族はあったかい。
「お母さんに電話入れとくわね。食べちゃいなさい。味は少し薄目にしてあるから。」
出してくれたのは愁ちゃんママ特製の卵粥。
いい匂いの正体はこれだったんだ。
「美味しい・・・。」
「良かった。電話してくるわね?ゆっくりしてて。」
ママ心配してるだろうな・・・。
それに勇志くんや礼ちゃんも。
「家まで送るから。」
「えっ、大丈夫だよっ!一人で帰れるし、愁ちゃんも少し寝て・・・?」
「ばーか。送るまでが俺の仕事。後でいくらでも寝れるから。」
「ありがと愁ちゃん。」