ラストボーイ
「芽生っ!」
門の前で待っていたママは、
帰ってきたあたしを強く抱き締めた。
く、苦しいよっ・・・。
大袈裟だなぁママは。
「心配したのよ・・・大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。ごめんね。」
「おばさんすいません。俺がついていながら。」
愁ちゃんが謝る事じゃないのに・・・。
愁ちゃんはママに深々と頭を下げた。
「ありがとう愁ちゃん。顔を上げて。いつも、まかせっきりでごめんなさいね。これからもよろしくね。」
「そうだよっ!ほら、愁ちゃん頭上げてっ。また皆で遊びに行こうね?!」
「あぁ」
楽しみが増えた。
だって皆といるのは楽しいから。
あたしにとって初めての事ばかりだった。
夏休みの課題。
あたしは海に行った事を日記に書いた。