ラストボーイ
「えー、体育祭に向けての準備とくれぐれも怪我をしないように過ごす事っ!!いいな?!」
黄瀬さん・・・怒ってるんだよね。
きっとあたしが迷惑かけて、
それにせっかくの機会をあたしが台無しにしたから。
協力するって約束したのに、
あたしってばぶち壊してばっかり・・・。
「芽生っ!」
「へっ?な、なに?」
「さっきからボーっとしてどうしたの?何かあった?」
黒板には体育祭の競技やら係が書き出されていて、
あたしの名前が入ってなかった事に安心した。
良かったぁ。係じゃなくて。
「昨日そんな寝付けなかったから、ちょっと眠たいだけ。何もないよっ!」
礼ちゃんには言えない。
きっと言えばまた心配するだろうし、
礼ちゃんの事だから黄瀬さん本人に話をつけると思ったから。
それにちゃんと話せば、
黄瀬さんも分かってくれるって思った。
この時は。