ラストボーイ
「芽生ー、飯皆で食わない?」
もうお昼か。
なんか今日はあっという間。
「礼ちゃん行こう?」
あたしは礼ちゃんと2人で愁ちゃん達に合流する事にした。
「あ、黄瀬も来るから」
愁ちゃんがさらっと黄瀬さんの名前を出した。
それだけで過敏に反応してしまうあたし。
別に黄瀬さんが嫌いな訳じゃない。
けど、あたしがいるって分かったら黄瀬さん嫌がるんじゃないのかな・・・。
休みが明けてから、
勇志くんも愁ちゃんも黄瀬さんを呼び捨てにしていた。
それなりに遊んで、仲も深くなったからだろうな。
「あっ、芽生ちゃん達もいるんだ!行こ行こ~っ!」
今朝とは真逆の黄瀬さんに困惑する。
黄瀬さん・・・・・怒ってないの・・・?
「芽生ちゃん?」
「え?」
「大丈夫?何かボーっとしてるけど。」
「え?うん、大丈夫だよっ!勇志くんは購買?」
「うん、俺は購買。芽生ちゃんも?なら一緒行こっか」
あたしはいつもお弁当じゃなかった。
少食ってのもあって、
ママは昼間パートがあるから、
学校の購買でお昼を買って食べてる。
たまたま勇志くんも一緒だったから、
一緒に買いに行く事にした。