ラストボーイ
ちょっと来るのが遅かったぁぁあ!!
うちの学校の学食は、
結構美味しいって事もあって、
いつも早めに来てるんだけど今日は少し遅かった。
大好きなメロンパンがぁ・・・
「芽生ちゃんあれ欲しいの?」
「うん・・・ここのメロンパン美味しいから。」
「んじゃ俺も同じのにしよっかな~。来て!」
えっ?!ちょっ・・・・・勇志くん?!
それは俗に言う割り込みでは?!
勇志くんはあたしの腕を引っ張って、
ぐいぐい前列に割り込んでいく。
「ちょっとぉ~、ここ並んでるんだけど。」
そ、そうです・・・。
分かってるんですけど・・・・・。
「ごめんっ!ちょっとここ入れてくんない?」
その子に向かって、
勇志くんが顔の前で手を合わせてお願いをした。
そんな可愛い事したくらいで、
入れてくれる訳ないじゃんよぉ・・・・・。
「あっ、うんっ///どうぞっ//」
ええっぇえぇぇえっ~
いいんですか????入れちゃうの??
「さんきゅ♪」
勇志くん・・・・なかなかやるね・・・。
あたしは渋々列に入れてもらって、
目当てのメロンパンまであと一歩・・・・・っ!
押さないでよぉ・・・・・っ
あと少しなのに!!!!!
「おばさん、これ二つ。」
「あ・・・・・。」
背が高くて、
手足の長い勇志くんは、
メロンパンをあっという間に手に取って、
あたしにひとつ渡してくれた。
「ありがとっ!あっお金!」
「いいよ。奢り。次買うときはよろしくー」
「うんっ!ありがとっ!」
お目当てのメロンパンも買えて、
勇志くんとあたしは愁ちゃん達が待ってる中庭に向かった。