ラストボーイ






「あっ、戻ってきた!おかえりー」




「ただいまっ!遅くなってごめんねっ、すごい混んでて・・・・・」





愁ちゃん達は既に食事中。




「芽生ちゃん、ここ座っていいよ~」




黄瀬さんに手招きされて、
あたしは黄瀬さんと愁ちゃんの隣に座った。




今朝のは何だったんだろう・・・。

許してくれたのかな・・・。





「メロンパン買えたの?」




「うんっ!勇志くんが割り込んで・・・買ってもらっちゃった♪これすっごく美味しいんだよね♪」





「ふーん。」



愁ちゃんのお弁当は、
さすが愁ちゃんママって感じで、
彩りも良くて愁ちゃんの大好きな海老フライが入ってた。





「そういえば、体育祭近いねー。暑いしやだなー。」





「礼ちゃん何か出るの?」





「あたし100mリレー。やりたくなかったんだけど女子で一番速かったから。」




礼ちゃん足速いのかぁ。

今更だけど初めて知ったかも。





「芽生ちゃんは何か出るのぉ?」



食べ終わった黄瀬さんがあたしに聞いてきた。
至って普通に・・・・・。




「あたしは何もっ。体弱いし・・・応援係かな」




本当はあたしも、
皆となにかしたいんだけどね。


こればっかりは小さい時から病院に言われてて、
ずいぶん昔に約束を破って案の定喘息の発作が出て迷惑をかけた事がある。




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