お面妖狐
私は強いから
『はぁ…はぁ…』
なんで、なんでっ…!
なんで私がこんなめにあわないといけないの?!
石でつまずき、派手に転ぶ。
後ろを振り向くと、火の海。
私の村が…。みんな…。母様…父様…兄様…!
大勢の足音がし、すぐに立ち上がり家宝をくわえなおし、また走り出した。
狐の私。
九尾の私はいらない化け物。
住みかが人間にばれて村が燃やされた。
化け物はこの世には必要ない。消えろ。
毎回言われるこの言葉。
なんで私は九尾に生まれてきたんだろう。
だからって、人間に生まれたくはないけど。
【まてぇ!!】
【待ちやがれ!化け物!!】
【長州にはむかうのか!!!】
長州…?へぇ。あの人達、長州って言うんだね。
自分たちから情報くれるなんてありがたい馬鹿じゃん。