お面妖狐
冷たい部屋
どれくらいたった??
長いことこの暗い空間にいる気がする。
早くみんなの所に戻りたい。
なのに、体が凍りついたように動かない。
そう言えば、長州は人間。
鬼は人間に手を貸しているって事になる。
人間を嫌ってるのは、みんなもだと思っていたけど、違ったみたい。
手を貸す馬鹿もいたようだ。
鬼も化け物なのに、私達だけ化け物扱いなんて、最悪だ。
こっちからしたら人間は化け物だって言うのに。
やっぱり、人間は嫌いだ。
優しい人間もいるみたいだけど、人間は人間。
形も中身も悪い人間と変わらないんだ。
こう、考えたら新撰組のみんなも怖くなってきた。
もう考えたら戻れない。
恐怖を思えてしまう。
もう、人間と関わりたくない。
もう、嫌だ。
『…ぅっ…』
と、今まで力が入らなかった体にいきなり力が戻り、目をゆっくり開けた。
周りを見渡すと、石だけだった。
私はその石の部屋の中に寝かされていた。