お面妖狐



自分の姿をみると、服装はそのまま。

髪が膝下くらいまで長く延びていた。




ヒュゥゥゥ





『うぅっ…、寒っ』





石の隙間から冷たい風が吹き込み、体を震わせる。


冬、なのかな。




あいつが3年くらいは眠ってるとかいってた。本当にそんなに時がたっているのか。


3年の時がたっていたとすれば、その間はなにがあったのか、なにが起こっていたのか、わからない。




まず、この部屋から出ないといけない。



夜だと思う。真っ暗だ。


こういうときに狐火って役に立つよね。



狐火の明かりに照らされて部屋の隅々まで見れる。


どこか出れる場所はないか探していると、壁に小さい穴がポッカリとあいていた。
石がそこだけ抜けたのかな。

これなら出れる。



ポンッと妖狐の姿に戻り、その穴をすり抜けた。




ボフッ





『っ!!!!!!』





び、びっくり。

ビックリして数秒固まってしまった…。


見ると地面は冷たい雪が積もっていた。

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