お面妖狐
今、刀は持っていない。
倒れているやつの刀を一本奪ってゆっくりと前に進む。
ザッ
「チッ」
ザクッ
目の前に出てきた浪士が人間を舌打ちをして斬った。
服装。見覚えがあった。
久しぶりにみた、浅葱色の羽織。
この雰囲気は、土方。
久しぶりに会えて嬉しい。はずなのに、体が震える。
寒いからじゃない。怖い。怖いんだ。
人間が…。
落ち着け…落ち着け…。
土方は大丈夫。怖くない…。
深呼吸をして心を落ち着かせた。
なんか、変わったな。
【死ねぇ!!!】
『…』
シュッ
バタッ…