お面妖狐
風にまじり、狐火がボワッとまい、私の姿が狐火の光によって現れる。
『落としたんじゃない。
置いてきたんだよ。
あの刀はお前らにあげるつもりは
ないからね。
こいつらが大切に守ってくれそうだった
から』
後ろをチラリとみると、総司がこっちを見て泣きそうな顔をしている。
土方も、目を見開いて固まっている。
「白夜…さん…?」
『…ごめんね。総司』
お面をつけて表情が見えない私に、総司は一筋涙をこぼした。
そして、背中から一本の刀をとりだし、私に投げた。
『…これは…』
「白夜さんの刀です!!!
今まで、離さず持ち歩いてました!!」
も、もう少し大切にしてよ?!!
でも。
『ありがとう。総司。
これでこいつらを殺せる』