お面妖狐
総司の焦る声がして、振り向くと、平助が血をドバドバと出して倒れていた。
『…』
怖いけど、仮もあるから。
『…治してあげるよ』
倒れている平助の前にしゃがみ、手首を斬った。
そして、平助の口に血を流し込んだ。
「ん"っ…」
不味かったのか、顔を歪めながらゴクリと飲んだ。
血を飲むのは初めてじゃないのにね。
「…あれ…?」
『はい。治ったね。よし』
タタタッ
「平助!!!」
うげっ。
ポンッ
う…。と、とっさに、妖狐に戻ってしまった…。