お面妖狐





『そ、それは…』


「それは、俺達も妖怪だからですよ」


『っ!一馬!!』


「いいじゃないですか?
もう隠せませんよ」





それはそうだけど…。





「…白夜も、一馬も、妖怪…?」


「だから、さっき狐に…」


『…はい。私と一馬は狐の妖怪。妖狐です。
化け物ですよ』





空気が冷たくなった…。

静かになった…。


なに、言われるんだろう。





「…総司は、知ってたのか?」


「つい最近まで知りませんでしたよ?」





出てけと言われたら出てくし、なに言われても、覚悟はできてるけど…。


言われると、怖い。

だから、言わないでほしい。





「…妖怪って、俺達人間の事、どう思ってるんだ?」


『好きな人もいると思いますが、
私と一馬は嫌いですよ。人間なんて、妖怪と全然違いますし、時間も違う。
人間は見た目で決めつけたりしますし。
信用もできない。
こっちには化け物化け物言っておいて、
こっちからしたら人間も化け物』


「俺達は人間は嫌いです。
元々嫌いでしたけど、もっと嫌いになったきっかけがあります。
だから、俺達妖狐は、人間なんて大大大っ嫌いですよ」

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