お面妖狐



母様、父様。ほかのみんなも、

襲ったのは人間。

なにもしていないのに、森で静かに暮らしてただけなのに、なんでみんなを殺す必要があるのか、ただ、半妖を作りたいってだけの理由で妖怪を捕まえて実験台に使うなんて、人間の考えることは馬鹿みたいだ。





「そうか…。じゃあ、俺達も嫌いなのか?」





怖い。けど、優しい。

新撰組のみんなも人間だけど、ほかの人間とはなにかが違う。





『私は、嫌いじゃない』


「最初は嫌いでしたけど、なんか新撰組って、ほかの人間とはなにかが違うって感じで、嫌いじゃないです」





みんなはホッとした顔になった。


冷たい空気がきえ、暖かい空気になった。





「お、俺も!!!白夜と一馬が妖怪だとしても!怖くないぞ!!!」


「俺もだ!」


「俺もだぜ!!」


「最初は驚きましたけど、怖くないですよ」


「怖いというか、優しいな」


「妖怪でも白夜君は白夜君、一馬君は一馬君だからな!」


「そうだな」





怖くない…?


優しい??

それ、本心?

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