お面妖狐
「おい!!!降りてきやがれ!!!」
降りたら斬り合いになんじゃんか。
『人間。私を捕まえてなにがしたい』
「殺す!!!」
『…あいつの傷は』
「まだ治ってねぇよ!!」
はぁ。しょうがないなぁ。
私は後ろを向いて、刀で腕を少しだけ切る。
そして、透明のビンのキャップをとり、
そのビンの中に流し込む。
半分くらいたまったらまたキャップをしめて男に投げた。
「…なんだこれ」
『飲めば傷、きれいさっぱりきえるから』
「はぁ?!そんなの信用できねぇ!!」
『嫌なら飲ませなければいい。傷の回復が遅れるだけだ。
あのときは、いろいろあって乱れてたんだよ。
いきなり斬ってすまん。
とだけ総司とやらに伝えといてくれよ。
おチビさん』
「なっ!!おチビさん言うな!!!!
て、おい!!!!逃げんじゃねぇ!!」
逃げないと捕まるでしょ?
捕まるのは嫌だからね。
飲むと傷は一瞬で治るけど、飲まないと治るのにいつも以上の時間がかかる。
普通の刀とは違うからね。人間にもききめはあるんだよ。
ただ、治る時間が遅くなるだけだけ。
足止めにはちょうどいいが。