お面妖狐





総司はニコッと微笑んだ。





『総司。本当にありがとう』


「いいんですよ」





私はソッと狐のお面を取った。





『総司。私、行かないとダメなんだ』


「え?」


『元々私達妖怪は人間と関わったらいけないの。
人間と妖怪は全然違うから。
そうでしょ?だれも、こんな目にこんな力持ってないでしょ?』


「…」


『妖怪は、人間と一緒にいたらダメなんだよ』





後ろで母様達がぐっすり寝ているみんなを必死に起こしてる。





『総司。楽しかった。ありがとう』


「…白夜さん」


『…大好き』





総司の頭にお面をつけて、背中を向けて母様達の所に走った。





「…じゃあ、記憶消します」


『お願いね』





総司。ありがとう。本当に、楽しかったよ。

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