お面妖狐






はぁぁぁぁ。





「白夜様のせいですよ」


『は、ははは…。まさか、本当に来るなんて思ってなくて…』


「この人は、地獄耳ですよ」


『じゃあ、この会話も聞こえてるよね?』





私と一馬は正座。土方は胡座をかいて腕を組んでいる


わー。こわーい。


でも、元気そうでよかった。





「で、なんで知って…「春の草 五色までは覚えけり~!」総司ぃぃぃ!!!!!!」





反応が早いな。





「白夜様、今総司って」


『…そうだね。土方が戻ってくる前にここを出よう』


「はい」





荷物を持ち、土方の部屋を出ようと襖を開けたら、目の前を凄いスピードで走っていった、誰かさん。
そして、少しすると、
土方が鬼の顔でその人を追いかけていった。





「…白夜様」


『早く行くよ。見つかると総司は戻る可能性があるから』


「はい」





あの時、総司だけ記憶が変わってなかった。

だから、総司と会うと総司が思い出すかもしれないから。

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