お面妖狐




カランッ





『あっ』





服のポケットから音を立ててビンが落ちた。





「懐かしいですね。確か、そのビンは母様と父様を助けた時の」


『うん。ずっと持ってるんだよね』


「総司の血を混ぜたビンですもんねぇ」





一馬が私をバカにするようにニヤニヤして言った。





『う、うるさい!!…そう言えば、みんなに残してったビンはどうなったのかな』


「残してった??」


『うん。最後に、ビンに残しておいたんだよ。これから、なにがあるかわからないからって。
記憶なくなってるし、不思議に思ってるかもね』





床に落ちたビンを拾ってポケットにしまい直した。





ドスンッ





『ギャッ!!!』



「白夜様!!」

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