お面妖狐
『私のですけど』
「なんで僕の部屋に?
あんなにもたくさん」
『では、総司さん。その前の記憶はありますか?』
「その前の記憶…?」
布団から顔をだして総司の目を見る。
ーーー
記憶…?
そういえば…、ない。
ぽっかり空いた気分になったのは、この記憶がないから?
この子を見たとたんこんな気持ちになる。
じゃあ、記憶はこの子に関係すること…?
ーーー
総司はこう思っていた。
勘がいいね。
『記憶が私に関係していると思うなら、思い出せばいいですよ。
そしたら、全て思い出せます』
「え?!僕口に出してた?!!」
『さぁね。
それも記憶を戻せばわかります。
記憶を思い出せば私の全てがわりますから』
あー。ダル。
「そう、ですか…。
それより、大丈夫ですか?さっきよりも気分が悪そうですが」
『総司さんは見破りますね…』
「じゃあ、ゆっくり寝てくださいね」
『…ありがとうございます』
***