お面妖狐
『…』
いつの間にか寝ていたみたいで寝転んだまま外を見ると暗かった。
夜になったんだ。
…夜、か…。
あの時も夜だったな。
本当に心から総司から離れるのが寂しかった。
正直今も寂しいけど。
大切な人に忘れられる事はとても寂しい。
チリンッ
『…はぁ…』
総司から貰った鈴。
総司が思い出が手元にあるようにって、
買ってくれた鈴。
隠れんぼした時この鈴の音で場所気づかれたっけ。
楽しかったなぁ…。
『…思い出してよ。総司…。
私の事…』
ギュッと鈴を握りしめ、涙を流しながらまた眠りについた。