お面妖狐
甘味??甘い味??
甘い食べ物??
「ほらよ」
『…ベトベトしてるね』
「みたらし団子って言うんだ!美味しいぞ?食べてみろよ」
甘い香り…。
お面を少しずらしてパクリと食べてみると、
おいしかった。
いつも草とか木の実を食べてたから。
木の実に甘いのあるけど、この柔らかさと甘さは初めてだった。
『これは、人間の食べ物?』
「そうだけど、お前も人間だろ?
食べたことないのか?」
お前も人間…。
私は、人間じゃない。化け物。
『…ない』
「町も来たことないし、甘味も食べたことない、か。なに食べてたんだ?」
『木の実』
「き、木の実?!!! 動物みてぇだな」
妖怪の動物だからね。
『ごちそうさまでした』
「よし、行くか!」