お面妖狐
嬉しいのか知らないけど尻尾ふってるよ…。
「どうやら、覚えてないのは狐の事だけのようですね。
あとは覚えてます。
白夜さんが熱だした事とか」
『そうですか』
「1つ言っておきます」
総司が起き上がり、じっと私を見る。
「あなたがいないと僕は幸せではありません。
白夜さんがいても全然迷惑ではありません。逆に嬉しいです」
『っ!!』
迷惑じゃん。
私は妖怪で総司とは違う。
妖怪が毎日そばにいるなんて、迷惑に決まってる。
私だって、総司がいないと幸せじゃない。
でも、迷惑だよ。
やっぱり帰ろうと人間の姿に化ける。
ポンッ
トサッ
「…よかったです。白夜さんが戻ってきてくれて。
僕が記憶を戻して。
このまま記憶が戻らなかったら、死ぬまで1人でした…。
寂しい思いで死ぬところでした」
『そ、総司?!』