お面妖狐
ごめんね。私は、そう簡単には捕まらないし殺されない。
首根っこを捕まれてるから、人間に化けたら重さで落ちる。
そこで私は男の腹を蹴りあげた。
【うぐっ!!】
ちょろいね。
ザシュッ
後ろを振り替えると、5人、血を流して倒れていた。
刀についていた血を振り払い、鞘におさめてこちらを向く兄様。
「白夜」
『…兄様…!』
両手を広げた兄様に飛び付く私。
久しぶりだ…。
こんなに兄様と離れたのは初めてだった。
「よく逃げきったね」
『兄様も、無事でよかった!!ズズッ』
「ははっ。ほらほら、泣かない泣かない」
兄様が私のお面を横にずらして目を服の裾でふいてくれる。