お面妖狐
『だって…』
「俺は生きてるだろ?な?」
『うん』
「…あれ?刀は??」
うっ…。兄様の声が怖い…。
『あ…う…』
「落とした?」
フルフルと首を横にふる。
「長州に、取られた?」
また、首をふる。
『そ、その…。あず…けた』
「預けた?誰に?」
『…新撰組って言う、人間集団の二人に…』
うつむいていうと、兄様はウーンと考え込む。
「新撰組…。あの壬生の狼たちか。
あいつらは平気かもな。
長州と敵だし、白夜が認める人なら」
『認めたのは、全員じゃない。二人だけ』
「そうか。その二人は優しいんだな」
『うん』
きちんと守っててくれるといいけどね…。