お面妖狐






「全員揃ったみたいだな」





で、なぜか私はど真ん中。





「まず、こいつは、俺の友達だから、長州じゃあねぇ」


「副長。そいつは、総司を斬った奴と聞いていますが」


「あぁ。斎藤の言った通り、総司を斬った奴だ。でも、命の恩人でもあるんだ」





命の恩人ってほどじゃないと思うけど…。


ただ、治りが1ヶ月ぐらい遅くなるだけで…。


1ヶ月って長いか。





「白夜さんが薬くれたお陰で次の日には元気ハツラツだったんですよ♪」


「次の日で…。沖田君。その薬はどのような物でしたか?」





…こいつ。なんか関わってるかもしれない。





「僕は覚えてませんねぇ…。
平助君。覚えてますか?」


「たしかー…。ビンに入ってたよな?
液体のようなものだったようなー…」


「ビンに液体ですか…」





そこで、遅れてきたメガネの人間は黙った。

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