お面妖狐



『話聞いてたんだけどなぁ。
なに?狐のお面を捕まえるとかなんとか、
新撰組は寝てるはずだとかなんとかだっけ?』


【っ!!てめぇ!】


【お前は先行っといてくれ!!!
俺がこいつを殺る】


【わかった】





残念だね。そんな事しても意味がないのに。





キンッ





『馬鹿だね。そんな事しても意味がないのにさ、一人を行かせて一人は私か、本人がここにいるのに』


【あぁ"?】






手をだし、狐火をボワッとだすと、

長州の一人がヒッと声をあげた。





ザグッ





『さ、あと一人は中に』





家の中は危険だと考えてると思うから、
まだ外かもしれない。



お面を少しずらし、片目だけ出す。



さ、どこにいるかな?


ギラリと赤い目を輝かせ、屯所を見る。



ククッ。いたいた。
ただ隠れてるだけじゃんか。


お面をもとに戻し、そいつのところにはや歩きで歩いた。


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