お面妖狐




「6月ですねぇ」


『そうですね』





…なんか、今日は屯所の中が騒がしい。

なにかやっているみたい。


土方も朝食には出ていたけど、ほかは見ていない。


平助はちょくちょく見るけど話しかけても流してささっと行く。


総司は私を見張るように近くにいる。





『総司。なんか騒がしいが。なにかやっているのか?』


「白夜さんは気にしなくていいんですよ」





ってことは、なにかやっているのか。





『外にでる』


「じゃあ、僕も」





外にでて、グルリと見渡せば見える。


お面ごしからでも少しは見えるから。


一人、二人、三人…。


あの中に三人いる。


二人は刀を握っていて、一人は縛られてる?



拷問か?



あの二人はもしかして、土方と平助では?

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