お面妖狐
私はお面を外し、一馬の目をみる。
『一馬。これはどういうこと』
「ゴホッ…。すいません…」
まず、縄をとかないと。
きつく結ばれた縄を刀で切って、一馬を自由にする。
『大丈夫か?』
「はい。…チッ。これだから人間は…」
一馬も生きていた。
よかった。
『それよりも、一馬。なんで拷問なんかされてるの?』
「…それは…。
俺、あの時に、白夜様の母上と父上に逃がされた。若いから、もっと長生きしなさいって」
一馬も、母様と父様に逃がされてたんだ。
「そして、逃げた。だけど、やっぱり心配で戻ったんだ。
そしたら、二人が長州に縛られて捕まってた。
だから、俺は助けようとした」
『…助けようとした?』
「あぁ。…俺は、今。長州にいる」
『!!!長州に?!!!』