お面妖狐
「ありがとう。白夜様」
『…ううん。一馬。ごめん。
一馬がこんなに頑張っているのに、私は人間と絡んでばっかり。
なにもできていない』
「白夜様は、新撰組と絡んでるんですか?」
『…うん。兄様がさっきの土方と昔の知り合いで、私もそうだったみたい。
覚えてないけど。
それで、兄様が私を新撰組に預けたの。
約1ヶ月前に』
下を向くことしかできない。
「白夜様。顔をあげてください。
美夜様がここに預けたんですよね?
なら、大丈夫ですよ。
美夜様が信じるやつなら、いいやつでもあるんです。
俺は拒否ですけど」
そうなのかな…。
でも、そうかもしれない。
苦手な人もいるけど、みんな優しいから。
『でも、一馬!長州に乗り込むなんてなんて命知らずなの?!
母様と父様を助けようとしてくれたのはありがたいよ?
でも、せっかくの命なんだから、もう少し大丈夫にしようよ。ね?』
「はい♪」
狐なのに、犬みたいな一馬。
ペットみたいだ…。