お面妖狐
長州にいけなくなった一馬はどこに行くのかずっと悩んでた。
「森で過ごします。また、美夜様から連絡が来ると思うので」
『そっか。気を付けてね?』
「はい」
『死なないでよ?』
「はい」
『そ、それから!』
「白夜様は心配性なんですね。
大丈夫ですよ。白夜様も気を付けて」
『うん』
だって、心配なんだ。
仲間がまた死んでくのを見たくない。知りたくない。
一馬には、死んでほしくないんだから。
一馬は私に見送られて、屯所を出ていった。
…少し、外にでようかな。
ここには大きな木がある。その木は私のお気に入り。
触れると落ち着くんだ。
桜の木だよね。桜、綺麗なんだよな…。
桜は咲く季節が春だけだし、咲いてくれる期間が短い。
だから桜は満開に、綺麗に咲く。
短い命を使って大きく満開に咲いて、
見る人を落ち着かせてくれたり、楽しませてくれる。
桜の力なのかな。
少し微笑んで幹に寄りかかって座る。