お面妖狐
危険な矢
シュッ
『…。…いや、なに、これ…』
屯所の廊下を歩いていたら、
横から物凄い勢いで目の前をかすっていったのは矢。
木の柱にビィィンッと音をたてて突き刺さった。
その矢には白い紙が縛られていて、とってみると文字が書いてあった。
"新撰組から離れ、我々羅刹に来い"
…あー。お誘いですか。
ビリビリビリ
ボワッ
『よし。…私はなにも見ていない』
矢もボキボキに折って狐火で燃やした。
刺さった跡は直せないからそのままにしておいた。