お面妖狐
「ついてこないなら、無理矢理連れていくだけ」
どう連れていく?
鬼は妖狐よりもランクが下。
力ずくでは無理だと思う。
鬼がニヤリと口元を上げた瞬間、鬼の姿が変わった。
まさかっ…!!!
『う"っ…!!!』
「平気だ。3年くらい寝るはめになるが、この方法が一番良いものだ」
力だ。こいつの能力。
息ができない。頭がグワングワンとして意識が朦朧としてくる。
「さっさと眠れ」
苦しみは消えた。
けど力が入らなくて、なにも考えれなくて、男に腕をひかれて思うがまま。
「ククッ。これで我ら長州も最強だ」
男が私を抱えて屯所を出ようとする。
最後の力を振り絞り、私は男に気づかれないように刀とこいつから送られてきた紙を落として、意識を手放した。