約束、

その様子を不思議そうに眺めていると
｢市川は女とたくさん話すし人気とかあるんだけど、どこか女に一線引いてるとこあってね。｣
と玲奈が言う。
｢市川？｣
｢あー、陽のこと。｣
｢そうなんだ。でもそれはあたしが１人だったからじゃない？｣
｢そんな。市川はそこで泣いてる女がいたとしても話しかけるような奴じゃないよ？笑｣
｢へぇー。｣
と興味なさそうに言ったと同時にチャイムが鳴った。
玲奈とは席が前後だったらしく少し安心ができた。

帰る時間になり、玲奈と下駄箱まで一緒することになった。
玲奈は彼氏と待ち合わせすてるらしく、嬉しそうに話していた。
彼氏を見つけ別れ際に
｢じゃ、また明日。｣
と手を振られ、
｢バイバイ。｣と言うと
｢あ！そうそう。｣
と引き戻してきて、
｢亜希ね、髪は金髪のが似合うと思うし痛むから明日からスプレーはやめといたほうがいいよ。あと、メガネも慣れてないっしょ？笑｣
とだけ言うとさっさと行ってしまった。
スプレーしてたことや、メガネもバレてるなんて玲奈はあなどれない子だなと思った。