Is you is or is you ain't my baby?
若菜がジロジロと見つめてきているのがわかった。

「何?」

そう聞いてきた京極に、
「何か、いつもよりもいい格好をしてない?」

若菜が聞き返してきた。

「そう?」

京極は答えると、ストレートティーを口に含んだ。

「ベージュのジャケットなんてどこで売っていたのよ」

若菜は京極が身につけているベージュ色のジャケットを指差した。

「ああ、これ?

オーダーメイドなんだよ。

去年の暮れくらいに2番目の姉さんが作ってくれたんだ」

自慢気に答えた京極に、
「そう言えば、2番目のお姉さんは紳士服店に勤めてたんだったね」

若菜は思い出したと言うように言い返した。
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