Is you is or is you ain't my baby?
「まあ、うん」

小梅は首を縦に振ってうなずいた。

「小説家って言ってもいろいろあると思うんですけど、普段はどう言ったジャンルをお書きになっているんですか?

恋愛とかミステリーとかですか?」

そう聞いた京極に、
「私のはちょっと違うんだよね」

小梅は答えた。

「それはつまり、ノンフィクションとかエッセイとか…」

「君たちが俗に言っている“官能小説”と言うジャンルだよ」

京極の話をさえぎるように、小梅が言った。

「えっ、そうなんですか?」

「何年かに1回は評論の方も書いてるけど、基本はそっちの方を書いてるね」

「へえ」

今度小梅が書いたと言う官能小説を読んでみようと、京極は思った。
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