Is you is or is you ain't my baby?
「あ、はい…」

櫻子は返事をすると、ソファーから腰をあげた。

「どうぞ、こちらへ」

案内をする北大路の後を追うと、彼は“第一診察室”と書かれた目の前のドアを開けた。

一般的な病院の診察室を連想した櫻子だったが、そこにあったのはテーブルと椅子だけだった。

「いいよ、座っても」

「はい…」

北大路に促され、櫻子は椅子に腰を下ろした。

櫻子が椅子に座ったことを確認すると、北大路は向かい側の椅子に腰を下ろした。

「あの…」

彼が椅子に座ったことを確認すると、櫻子は話を切り出した。

「どうして、わざわざ自分の病院であたしと話をしようと思ったんですか?」
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