Is you is or is you ain't my baby?
月曜日の朝、小梅の視線はテレビに向けられたままだった。

「櫻子、ごめんなさい!

あなたをわかってあげられなかったお母さんが悪かった!

もう1度、あなたに会いたい!

あなたに会って謝りたい!」

自宅へ連行されながら、彼女はマスコミのカメラに向かって泣き叫んでいた。

いちごも呆然としたようにテレビの画面を見つめていた。

テレビの左上に時計が表示された。

「いちご、もう時間だよ」

「えっ…わわっ、行ってきまーす!」

いちごは慌てたようにカバンを持つと、走って玄関の方へ向かった。

バタンとドアが閉まったのと同時に小梅は椅子から腰をあげると、いつもの3倍のスピードで後片付けを済ませた。
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